インタビュー
絵を仕事に―手放せない思いが未来を切り拓いた

2018年新卒入社
# 学生時代の経験
「絵を描くことが好き」という気持ちを諦めきれなかった
―学生時代はどんなことを学んでいましたか?
昔から絵は好きでよく描いていたのですが、美術系の大学や専門学校に通っていたわけではなく、大学では英語を専攻していました。実は、絵を仕事にするのは難しいと一度区切りつけて過ごしていたんです。しかし、心のどこかで「絵を描くのが好き」という気持ちを捨てきれずにいたのも事実でした。
# 就職活動の様子
やらないで後悔はしたくない
―就職活動ではどのようにしてゲーム業界のビジュアルアーティストという仕事にたどり着いたのでしょうか?
就職活動では最初、語学力を活かせる企業やIT系企業を中心にエントリーしていました。しかし、心からその仕事をやってみたいという気持ちが起きなく、なかなか前向きに進めることができませんでした。自分の中で日に日に違和感が大きくなり、「絵を仕事にしたい」という想いを自分がまだ諦めきれていなかったことに気づかされました。
そこから一念発起し、「やってみてダメだったらちゃんと諦めもつくだろうから、一度チャレンジしてみよう」と、ビジュアルアーティストを目指す道へと踏み出しました。
その後、ポートフォリオ制作に専念し始めたのですが、短期間で作り上げなければならず、非常に苦労しました。同じくゲーム業界を目指していた友人がいたので、アドバイスを受けながら独学で制作を進めていきました。実際企業に提出したポートフォリオは、今思うととても見せられたものではないのですが、とにかく1年間で作れるだけ作って、出来る限りのものを詰め込み応募しました。
―バンダイナムコスタジオに入社を決めた理由は何でしたか?
本当に行きたいと思えるゲーム会社だけに絞って応募をしていました。自分がキャラクターの絵柄を探求するのが好きだったので、幅広い作風を扱っている会社や、個性の強いタイトルを扱っている会社を中心に志望していましたね。その点において、バンダイナムコスタジオは特に強みを持っていると感じていたので、入社を決めました。
# 仕事の中で得た成長とやりがい
自分の絵が誰かの心を動かす
―現在の業務内容について教えてください。
以前はキャラクターモデラーとして、自分でデザインしたキャラクターをモデリングするという仕事をメインで行っておりました。また、海外スタジオと一緒に開発を行う際、英語でディレクション業務をしていたこともありました。
現在は、自分の希望もあり、キャラクターのコンセプトアート制作をメインで行っています。モデリング経験があるおかげで、立体にしたときのことを意識しながらアートを作ることができていると思います。
―研修の様子について教えてください。
学生の時、専門的にゲームや絵について学んでこなかったので、入社当初は不安がありましたが、新人研修が充実していたので安心して業務に取り組むことができました。
特に印象に残っているのが、職種ごとに行われる「専門研修」の柔軟さです。自分が得意とする分野だけでなく、UIや背景、アニメーションなど様々なビジュアルアーティストの職能について学べる研修なのですが、「この部分をもう少し学びたい」と自分に不足しているスキルがあることを相談したら、カリキュラムを組み直してもらえました。しっかりと一人一人に向き合ってくれているという安心感がありましたね。
―仕事で苦労したことや大変だったことは何ですか?
入社して年数が経つにつれて、複数のデザイン案件を並行しながら、更に他の案件のディレクション業務も担うようになったことです。頭の中が整理しきれず混乱してしまう事も多く、それが一番苦労した事でした。
最終的には、タスクの量を調整したり、納期を調整したり、上司や周りの人と相談することで解決しました。そうした状況は、一人で何とかしようとしても限界がありましたね…。相談しやすい職場環境だったからこそ乗り越えられたと思っています。困った時に声を上げやすい環境というのは、本当にありがたかったです。
―仕事をしていて印象的だったことや、やりがいは何ですか?
自分が関わったゲームが世に出た時は、正直あまり実感が湧きませんでした。しかし、ネット上でファンアートを見つけたり、「ゲームを通して新しい友達が出来た」というような声を見かけたりしたとき、ゲームという一つのエンターテインメントを通して、自分の作ったものが誰かの心を動かし、人と人を繋ぐきっかけになっているというのを感じられて、本当に嬉しい気持ちになりました。自分の作ったものが誰かにポジティブな影響を与えられていると思えるのは、大きなやりがいです。
また、描くことで自分自身が日々成長していると実感できるのもモチベーションに繋がっています。私はプライベートでも絵を描いているのですが、仕事で得たスキルと趣味で培った経験のどちらも自分の糧になっていると感じます。以前の絵と比べると、軸は変わっていないですが明らかに出来ることが増えていて、例えば筋肉の描き方一つをとっても、結構描き方が変わり上達したと実感しています。そうやって自分の成長を感じられることも、やりがいの一つです。
# 尊敬する先輩社員と目標
個性を持ちながら、多様な表現が出来るように
―目標としている先輩社員はいますか?
一緒にキャラクターデザインをしている方がいるのですが、その方は非常に多様なキャラクターデザインの引き出しを持っており、人の心を動かす魅力的なキャラクターを短期間で次々と提案出来るんです。社内外からの信頼も厚く、指名で仕事の依頼が来ることもあり、自分の強みとなるテイストを持ちながらも、表現の引き出しがたくさんあるのは本当にすごいなと思います。そういった作家性を持つ方にとても憧れています。
1日のスケジュール
→必要があればその場で追加のレタッチやスケッチを行います。
散歩が趣味で、休日は散歩しながら建物や人を見ていることが多いです。スケッチブックを持ち歩いているので、目に留まったものを絵に起こすこともあります。フラッと映画を観に行くのも好きです。あとはひたすら溜まった家事を片付けて達成感を得ています。
私にとっての「Grow BNS」

※ Grow BNSは、バンダイナムコスタジオのバリュー(挑戦・自律・追求・共創)の総称です。
追求 Never compromise
もともと絵柄を追求することが好きだというのもあり、「突き詰めて作り上げる」というのを大事にしていることが多いです。単純に作品のクオリティだけを突き詰めるのではなく、「どうすればクオリティの高いものを効率よく作れるか」、「どうしたら一人に大きな負担がかからないよう成果が出せるか」など、バランスを意識しながら突き詰めていくという事を意識しています。
そうして作り上げたものが、やがて誰かにポジティブな影響を与えたり、新たな繋がりを生んだりすることができたら嬉しいです。