クリエイターインタビュー

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技術の頂点を極めろ! テクニカルディレクターが語る『鉄拳8』の進化とは?

バンダイナムコスタジオのクリエイターたちは、「自分の開発したゲームでみんなを楽しませたい!」という熱意を持って、ゲームを開発しています。その気持ちはどこからくるのでしょうか?この記事では、弊社のクリエイターの好きなモノや出来事を通して、ゲーム開発に繋がる想いを紹介します。

今回は、「鉄拳8」のテクニカルディレクターである稲城 聡さんにお話を伺いました!

『鉄拳8』テクニカルディレクター 稲城 聡

「鉄拳8」テクニカルディレクター
稲城 聡
「鉄拳8」テクニカルディレクター
稲城 聡

—現在の所属や業務内容について教えてください

現在、バンダイナムコスタジオの第1スタジオ第1グループ第2プロダクションのテクニカルセクションに所属しており、「鉄拳8」の開発に従事しています。具体的には、テクニカルディレクターとしてゲームの技術面全般を統括しています。私の主な業務は、エンジンの最適化、新機能の実装、技術的な問題解決などです。開発チームと密接に連携し、ゲームがスムーズに動作し、プレイヤーに最高の体験を提供することを目指しています!

エンジニアチームのマネジメントも業務のひとつです。新しい技術トレンドを追い、最適な技術スタックを選定し、チームに導入したり、メンバーのスキルアップのサポートもしております。

また、外部の技術パートナーやツールベンダーと協力し、最新の技術やツールを導入して開発効率を向上させることや、プロジェクトマネージャーやデザイナーと緊密に連携して、技術的な制約を理解しながらより操作性が優れたゲームを実現するための橋渡し役を務めています。

「鉄拳8」新キャラクターのデザインについて

「鉄拳8」の開発で印象深いエピソードはありますか?

そうですね、「鉄拳8」の開発で一番印象深いのは、開発初期に行われたキャラクターデザインの方向性を決める会議です。過去の「鉄拳」シリーズの伝統を尊重しつつも、最新タイトルとして新しい風を吹き込む必要がありました。特に、新キャラクターのデザインには多くの議論がありました。

チーム内でも既存のファン層を満足させつつ、新しいプレイヤーも引き込むためのバランスを取ることが重要視されました。最終的に決定したデザインは、ファンからも高評価を受けており、その瞬間は非常に達成感がありました。この経験は、チーム全体の士気を高め、より良いものを作り上げようというモチベーションに繋がりました。

また、ビジュアルクオリティの向上にも取り組みました。過去タイトルでは技術的に難しくて断念した事項を本作では実現できました。新しいレンダリングエンジンの導入により、従来では表現できなかったリアルタイムのライティングやシャドウ効果を実現することができました。

その結果、ゲームのビジュアルクオリティは飛躍的に向上し、全世界のプレイヤーから「これまでと比べてもビジュアルが美しい!」と高く評価されました。

—たしかに操作性もビジュアルもとても素晴らしかったです!稲城さんが仕事に取り組む上で大切にしている「自分ルール」はありますか?

「常にユーザー目線で考える」ということです。ゲーム開発は技術やクリエイティブな部分も重要ですが、最終的にはプレイヤーが楽しめるかどうかが全てです。開発中も、プレイヤーの視点を忘れないように心掛けています。具体的には、ユーザーテストやフィードバックを頻繁に取り入れたり、SNSで見つけたプレイヤーの意見を参考にしてアップデートを続けています。また、開発チーム内でもユーザーの視点を共有し、全員が同じ方向を向いて進めるようにしています。こうした姿勢が、最終的にはゲームのクオリティを高めることに繋がると信じています。

もう一つの重要なルールは、チームメンバーとのコミュニケーションです。技術的な問題が日々発生する開発現場では、迅速な問題解決のために情報共有が不可欠です。どんな小さな問題でも報告し合える雰囲気を作り、問題が発生した際には全員でブレインストーミングを行い、最良の解決策を見つけ出すよう心掛けています。

また、品質に対する妥協もしません。ゲームの開発は締め切りに追われがちですが、品質を犠牲にしてしまうと最終的なユーザー体験に悪影響を及ぼします。そのため、どんなに忙しくてもなるべく妥協せずに快適に遊んでいただける状態でリリースすることを考えています。ユーザーにとっては開発側の事情は関係ないので、できる限りユーザーにとって遊びやすく、長く遊んでもらえるタイトルになればいいなと思っています。

—「これだけは自信がある」と言えることは何ですか?

「これだけは自信がある」と言えるのは、技術的な問題解決能力です。これまで多くのプロジェクトに携わり、その度に様々な技術的な課題に直面し、新しい技術の導入やパフォーマンスの最適化、高度なアルゴリズムの実装など、多岐にわたる技術的な問題に取り組んできました。

また、他の開発者との協力関係を築き、共に問題を解決していくことも心掛けています。技術的な問題は一人で解決することが難しく、チーム全体の協力が不可欠です。できるだけ、チームメンバーとオープンにコミュニケーションを取り、互いの知識やアイデアを共有しながら、最適な解決策を見つけ出すべきだと思っています。

—最後に、座右の銘はありますか?

座右の銘というほどではないですが、真摯で誠実であることでしょうか。どんなに自分が大変な思いをしたとしても、やっぱりユーザーにより良いものを届けたいという思いがあります。せっかく遊んでいただいているユーザーさんに、できるだけ長く楽しんでいただきたいという気持ちは強いと思います。

開発が難航する時期こそ、この信念を持ち続けることで、最終的には良いゲームを生み出せるような気もしています。また、エンジニアとしても新しい技術やスキルを習得するためには、日々の努力と継続が欠かせません。今後もプレイヤーの皆さんに楽しんでいただけるよう、引き続き頑張ります!

—ありがとうございました!今後の「鉄拳8」の発展を楽しみにしています。

前回の記事「第13回:大人気タイトル続編開発を通じて感じたことは?」はこちら

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