インタビュー

GEMini2023開発タイトルができるまで「BOOMEROAD(ブーメロード)」「NOTTOLOT(ノットロット)」「DORONKO WANKO(どろんこわんこ)」

バンダイナムコスタジオでは、新卒入社した新人クリエイター達がチームを組んでゲームを作るという、実践さながらの新人研修「GEMini(ジェミニ)」を実施。2023年は、「BOOMEROAD」「NOTTOLOT」「DORONKO WANKO」の3タイトルが開発され、ゲーム販売プラットフォーム「Steam」で無料配信されています。

今回は、2023年度の「GEMini」について各開発チームにインタビューを行いました。タイトルにかける想いや開発の裏側など、新人研修ならではのフレッシュなエピソードをたっぷりご紹介します。

2022年度「GEMini」各開発チームへのインタビューはこちら

GEMini2022開発タイトルができるまで(前編)『フックと鎧獣(かいじゅう)』『ENDRAYS (エンドレイズ)』
GEMini2022開発タイトルができるまで(後編)『EXCYCLE(エキサイクル)』『しげるプラネット』

作品紹介

まずはじめに、2023年度の「GEMini」3タイトルをご紹介。全職種を含んだ12~20名で構成されたチームが3つ編成され、約半年間かけて開発されました。

「BOOMEROAD(ブーメロード)」

BOOMEROAD(ブーメロード)

ブーメランで描いた軌道の上を滑ることができる、爽快なアクションが魅力のアクションアドベンチャーゲーム。天空に浮かぶ古代遺跡を舞台に、疾走感ある移動アクションが楽しめます。

Steamストアページはこちら(無料)

「NOTTOLOT(ノットロット)」

NOTTOLOT(ノットロット)

ハッキング機能を駆使して謎を解き、様々なギミックを乗り越えステージのゴールを目指すロボ乗っ取りアクションゲーム。近未来的な工場を舞台に、ポップで個性豊かなロボットたちが登場します。

Steamストアページはこちら(無料)

「DORONKO WANKO(どろんこわんこ)」

DORONKO WANKO(どろんこわんこ)

天真爛漫なポメラニアンになって、おうちの中をはちゃめちゃに汚しまわることができるどろんこアクションゲーム。無邪気なかわいさに癒されながら、綺麗なおうちを泥だらけにしていく爽快感が味わえます。

Steamストアページはこちら(無料)

開発メンバー紹介

次に、タイトルごとの開発メンバーをご紹介。バンダイナムコスタジオの新入社員(マレーシアを含む)だけでなく、同じくバンダイナムコグループ「バンダイナムコオンライン」の新入社員と合同で研修を実施。様々な壁を越え、ゲームクリエイターとしての真価を発揮いただきました。

「BOOMEROAD(ブーメロード)」開発メンバー

「BOOMEROAD(ブーメロード)」開発メンバー

「NOTTOLOT(ノットロット)」開発メンバー

「NOTTOLOT(ノットロット)」開発メンバー

「DORONKO WANKO(どろんこわんこ)」開発メンバー

「DORONKO WANKO(どろんこわんこ)」開発メンバー

開発メンバーインタビュー

以下、『BOOMEROAD(ブーメロード)』開発メンバー氏名は青色、『NOTTOLOT(ノットロット)』開発メンバー氏名は緑色、『DORONKO WANKO(どろんこわんこ)』開発メンバー氏名は赤色で記載しています。

「GEMini」お疲れ様でした!作品のなかで、特に工夫した点やプレイ時に注目して欲しいポイントはありますか?

尾田: 「自分でレールを創り出し滑る」という独特なアクションによる疾走感を最大限に楽しんでもらえるように設計されたレべルデザインとUIデザインです。特にUIでは、操作方法のガイドを表示できるようにしました。それにより、プレイヤーにアクションの操作感の気持ち良さをいち早く掴み楽しんでもらえるよう設計しました。

石川:主人公を操作する際の、敵に見つからないよう慎重に進む緊張感と、敵をハッキングした後の開放感、この2つの「差」を意識してつくりました。また、ハッキングする際の気持ちよさやワクワク感はかなりこだわって制作したので、注目していただきたいです。

遠藤:なんといってもポメラニアンの可愛さに注目してほしいです。このポメは、私の家族「ぽてと」がモデルとなっています。このゲームの開発期間に天に旅立ってしまった「ぽてと」ですが、メンバーの尽力により、とっても可愛く自由にゲーム内を暴れてくれます。こだわりぬいたポメラニアンの可愛さを是非堪能してください!

どれも必見のポイントですね!開発中に生じた課題などはありましたか?

大字:バンダイナムコスタジオ(日本)と、バンダイナムコスタジオ マレーシアでは休暇の日程(お盆など)が異なるため、他方が居なくても開発が滞らないようにする必要がありました。Unity上でのワークフローを改めて整備&徹底することでどうにか乗り越え、その整備がその後の開発効率を大きく向上させました。
ゼンスン:チームには日本人だけでなくさまざまな国の人がいて、ミーティングのたびに言葉の壁がありましたが、全員がそれぞれの国の文化を学び、あらゆる言語ツールを使って意見を翻訳したことで、コミュニケーションをとることができました。

萱場:企画の軸決めや一部制作が難航しスケジュールが切迫した分、チームメンバーには負担をかけてしまいました。ですが限られた期間の中、いいゲームにしようと一人一人が全力で制作を頑張ってくれたお陰で、無事に『NOTTOLOT』を完成させることができました。確かな実力と熱意を持ったメンバーに感謝しかありません!
砥出:短期間での開発に際して、物量の多さと面白さの両立が難しかったです。少ない試行で質を向上させるため、どのエンジニアも他職種と密に連携をとり、実現可能性のほか面白くするアイデアの逆提案も行い、双方が納得する落としどころを模索しました。エンジニア間も助け合って進められたため、各機能の実装も短く済みました。

野口:本作は物量が多い背景であったため最低スペック環境でのパフォーマンス面で問題がありました。何とか改善するため、ライティングのベイクやテクスチャサイズの調整、ポリゴン数の見直しを行いました。その結果パフォーマンスの改善をすることができました。

限られた時間の中、チーム一丸となってタイトルを完成させたのですね。開発中、インストラクターやメンターから貰ったアドバイスの中で、心に残っているものはありますか?

飯塚:指示を待たず主体的にやることを探す姿勢や、他職種のスタイルやこだわりを理解して実装することの重要さについてアドバイスしていただき、今後も重要な考え方を学べたと思います。
村山:ゲーム制作においてのステージを組む際のいろはやプレイヤーの視線誘導に関しての知識などをアドバイスしていただき、今後必要なスキルなどを学べることが出来ました。

秋谷:「全員が納得することより、面白いゲームを作ることが一番優先されるべきことだ」というチームメンターさんの格言ですね。それから意見のぶつかりが怖くなくなりました。
藤井:とにかく粘ることが大事だと言われました。アニメーターとしては、動かして楽しいと思えるかとか世界観に合った動きかどうかとか、細かいことでも一つ一つがゲームのクオリティを左右するので自分が納得できるまで粘るようにしましたね。

谷川:「調和とはぶつかりあうこと」という言葉を教えていただいたことが印象的です。開発序盤からメンバー同士が不要な気遣いをし過ぎて、本音で言い合えない状態が続きました。そんな中、この言葉がチーム内に共有されたことがきっかけとなり、”ぶつかり合ってでも作品を良くしていこう”という意識がメンバーそれぞれに芽生え、ゲーム開発もチームの雰囲気もいい方向に進むこととなりました。
永井:「初期に立てたコンセプトは、終盤までずっと判断基準であり続ける」というアドバイスが心に残っています。「コンセプトに沿っているのはこっちの仕様」というように、コンセプトはチーム内の共通言語であり、根拠になります。最後まで通し続けても問題ないと思えるほどコンセプトを詰めることの重要性を痛感しています。

今後も心に残り続けるアドバイスですね。チーム内の人間関係において印象的なエピソードはありますか?

藤間:言語が違う、国を行き来する、制作期間が短いといったような困難が発生しながらも、メンバー全員が自分のやるべきことを考え、協力し合う姿が印象的でした。特にマレーシアメンバーは慣れない環境の中でも、日本メンバーととても仲良く制作を進めてくれました。
迫田:6、7月は日本メンバーとマレーシアメンバーが同じ国にいたため休日も一緒に遊ぶことが多かったです。そんな中で、仕事では意見が対立している状態でもプライベートでは仲良く遊びに行くなど、とても良いチーム内の人間関係が築けていたのが印象的でした。

佐藤:時に本気でぶつかり合い、時にギャーギャー笑って騒ぎ、メリハリのある明るくて楽しいチームだったと思います。
香田:相手のことを気遣えるメンバーが揃っていました。制作中にアクシデントがあった際も他職種の方が出来ることを探してフォローしていた姿が印象に残っています。

牧田:ゲーム開発初期、お互いのことを慮りすぎて言いたいことが言えなかったり、自分の専門分野外のことについて自信がなく指摘できなかったりと、よそよそしい雰囲気がありました。後半にかけて解消されていきましたが、もっと早い段階でぶつかれるような関係になれればよかったです。

国内外、職種問わず編成されたチームならではのエピソードでした。「GEMini」全体の中で、楽しかったことや思い出深かったことはありますか?

遠藤:マレーシアのスタジオで歓迎会をしていただいたときが一番思い出深いです。言語や職種関係なく会話やゲームで盛り上がれたことで、ゲーム制作に国境は関係ないなと改めて再認識することができました。
皆川:楽しいことだらけでした。6月には日本メンバーがマレーシアへ出張しての共同生活、休日は観光地へ出かけて親睦を深めました。 7月にはマレーシアメンバーが日本へ出張し、共に博物館やテーマパークに出かけて多くの時間を共に過ごしました。中々できない事を経験し、一生忘れないであろう楽しい思い出を沢山作りました。

平川:新規実装のたびに皆で喜び、お昼を皆で食べたりゲームしたりと、毎日が最高に楽しかったです。特に、中間発表会で全メンバーが一つの部屋にぎっちりこもって企画メンバーのゲーム実況プレゼンを見守ったり、最終発表会で企画メンバーが発表し終わった後、全員が立ち上がり「お疲れ!(拍手)」となった時は涙が出そうでした。
國江:最初のうちはなかなか内容が決まらず不安になることもありましたが、仕様がまとまってからはチームが一心同体となりました。職種を問わず議論を重ねて、お互い助け合いながら納得のいくゲームを作ることが出来て、とにかく楽しかったです。

江尻:開発の最終盤にどうしても修正したいバグが見つかったのですが、エンジニアが集まってそれぞれの視点から意見を出し合い、調査すべき箇所を適切に絞り込んでいくことで納得のいく形で修正できたことが思い出に残っています。研修期間中の経験を活かして協力しあえたことが結果につながったと思います。

最後に、「GEMini」で得られたご経験を踏まえて、今後の意気込みを教えてください!

佐井:今回GEMiniを通じて、ゲームを作るうえで考えるべきことを非常に多く学べました。 これらの学びを実際のプロジェクトに活かして今後より良い制作を行っていきたいです。

河合:初めてのゲーム制作でしたが、新人での小規模開発ということで、幅広いセクションの業務に深く携わらせていただきました。仕事上のコミュニケーションやスキル、そして何より、自分の手でゲームを面白くしていく力を得られたと思います。そのゲームをよりよくしたいという気持ちを忘れずこの先も歩んでいきたいと思います。
関口: ゲーム制作は全くの未経験な中で挑んだ研修でしたが、日々の学びやチームメンバーとのやりとりから多くの刺激を受け、ゲームクリエイター第一歩としては大きすぎるほどの成長ができたと感じています。これからも向上心とこだわりを忘れずにゲーム制作に取り組んでいきたいです。

錦織:学生時代に経験したチーム制作とは比べ物にならないくらいの密度でゲームを最後まで作りきることができました。この経験を活かし、常に学び続けながら成長していきます。
竹部:チームとしても個人としてもたくさんの困難がありましたが、それらを乗り越えてゲームを完成させた経験を今後も忘れずに頑張っていきます!

貴重なお話、ありがとうございました!

2023年度「GEMini」で開発された「BOOMEROAD(ブーメロード)」「NOTTOLOT(ノットロット)」「DORONKO WANKO(どろんこわんこ)」は、Steamで無料配信中です。

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©Bandai Namco Studios Inc. Published by Phoenixx Inc. (※1)©2024 Valve Corporation. Steam及びSteamロゴは、米国及びまたはその他の国のValve Corporationの商標及びまたは登録商標です。

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