インタビュー

GEMini2022開発タイトルができるまで(前編)『フックと鎧獣(かいじゅう)』『ENDRAYS (エンドレイズ)』

バンダイナムコスタジオでは、新入社員がチームを組んでゲームを作るという、実践さながらの新人研修「GEMini」を実施。2022年は、『フックと鎧獣(かいじゅう)』『ENDRAYS(エンドレイズ)』『EXCYCLE(エキサイクル)』『しげるプラネット』の4タイトルが開発され、ゲーム販売プラットフォーム「Steam(※1)」で無料配信されています。

今回は、「GEMini」について開発チームごとにインタビューを行いました。タイトルにかける想いや裏話など、新人研修ならではのフレッシュなエピソードをたっぷりご紹介します!

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作品紹介

『フックと鎧獣(かいじゅう)』
飛空船を操り鎧獣(かいじゅう)の体の形にフックを引っかけ、バランスを崩して転倒させるゲーム。荒廃した世界で、鎧獣は3本の塔を破壊すべく侵攻してきます。あなたは塔に住む人々を守る飛空船部隊の新入り。フックで鎧獣を転ばせ、塔を脅威から守り抜きましょう。
https://store.steampowered.com/app/2213550/

『ENDRAYS(エンドレイズ)』
マウスでレーザーを自由自在に振り回し世界を滅ぼす破壊兵器シミュレーション。360°から押し寄せる軍勢、待ち受ける強大なボスたち。日頃のストレスをレーザーに乗せて、この世界の全てを破壊しつくしましょう。
https://store.steampowered.com/app/2213560/

メンバー紹介

※以下、『フックと鎧獣』メンバー氏名はオレンジ色、『ENDRAYS』メンバー氏名は青色で記載しております。

「GEMini2022」お疲れ様でした!作品のなかで、特に工夫した点や注目して欲しいポイントはありますか?

小松崎:ぜひ、飛行艇の乗組員たちによるセリフに注目して欲しいです。プレイに役立つちょっとした情報や世界観について知ることができて、よりゲームを楽しめると思います。
福田:背景デザインを、エンジニアに無理を言ってこだわらせていただきました。スケッチブックにサインペンや墨汁で描いたテクスチャーをPC上でつなぎ合わせて作っています。よく見てみると、墨汁のにじみや手書きらしい線のヨレなどが確認できると思います。
高橋 : 物理挙動とゲーム体験を両立させるため、数々の工夫をしました。例えば飛空艇とフックを繋ぐ紐のたわみは操作性を良くするため物理演算は行っておらず、フックの角度を元にそれらしい見た目になるように計算しています。また、敵の転倒時の挙動は物理に頼りつつ、起き上がった時の見た目が変にならないよういくつかの制限を入れています。

『フックと鎧獣(かいじゅう)』

冨士田:手触りのよさや爽快感が売りのゲームなので、連続して鳴ったときに気持ちいい音や、高揚感を感じる音の制作に努めました。またゲームの性質上、どうしても画面が騒がしくなってしまうため、どの音を一番目立たせるかの優先度を大事に制作しました。
瀧上:遊んでくれた方にレーザーを放つときのドキドキ感や、町や敵を一掃する爽快感を味わってほしい、というのを意識して作っていたので、破壊表現は特にこだわって制作しました。キャラクターの登場ムービーや、エネミーの特殊演出なども、ゲームにより没頭してもらうために取り入れました。

『ENDRAYS(エンドレイズ)』

細部にいたるまで深いこだわりが感じられますね。作品の内容が決まるまでの試行錯誤はありましたか?

奥平 : フックを形に引っかけて敵を倒すという遊びのコアは最初から決まっていました。試行錯誤したところとしては、鎧獣の形や攻撃の違いによって難易度を変えたのですが、最初は難しすぎて面白さよりストレスが勝ってしまい、そこの調整に時間がかかりました。

中村:元々の企画から“何を足し引いて面白いゲームとするか”については何度も話し合いが必要でした。特に、「これはシリアスなゲームだ」「いいや、おバカなゲームだ」の論争は最後まで続いた覚えがあります。

制作中にインストラクターやメンターからもらったアドバイスの中で、心に残っていることはありますか?

横井:チーム内にサウンドは私一人しか居らず、私がどうにかしなければ、と悩むことが何度もありました。しかしそこで一人で抱え込まず、制作チームや、制作チームやサウンドの先輩方に相談することで解決の糸口を見つけられただけでなく、なにより問題を共有し、みんなで考えていくことに意義があるということを改めて教えていただきました。
吉見 : 先輩から様々なアドバイスをいただきましたが、その中で特に心に残っているのが「そのまま意見を述べるのではなく、一歩離れて全体を見たうえでの意見も重要」というアドバイスです。これは今回の開発だけに限らず全ての開発に言えるような重要なことだと思うので、今後の開発でも心がけていきたいと思っています…!

遠藤:「研修のうちは細かいことにとらわれず前に進んでいいよ」と言われたのがとても印象に残っています。頼もしい先輩だなと思うのと同時に、こんな風に後輩が安心して頼れる良い先輩になりたいなと思いました。

たちはだかる数々の壁を乗り越えて、チームで作り上げた作品。一般配信後、ユーザーさんによる反響のなかで特に心に残っていることはありますか?

金垣 : 私が技術スタジオを目指して入社したのもあり、こうしてゲームを開発して、それが配信される機会があるとは思いませんでした。レビューを見ると、サウンドやUIについての反響が多く、頑張って良かったなと思います。
黒木:VAさんがこだわって作り上げてくださった素敵なビジュアルをより活かせるよう、世界観設定やキャラが話すセリフもこだわって考えました。配信後のレビューで世界観が良かったというコメントを見かけるととても嬉しかったです。

成吉:私はサポートメンバー(先輩社員)としてGEMiniに携わっていたのですが、やはりその形態や規模を問わず多くの方からプレイした反応をいただけるのは本当にありがたいことですね。特に、同チームメンバーの頑張りを把握しサポートしてきた身としましてはどの点についての感想も自分のことのように嬉しいです。

人々を熱中させるゲームを生み出すには、チーム力が不可欠だと思います。制作中、チーム内の人間関係において印象的なエピソードがあれば教えてください。

村田:ゲーム開発経験の有無から、これまでの経歴まで、多種多様な人々が集まったチーム。価値観、考え方も人それぞれで、ぶつかることも多々ありました。思い返すと大変だったなあ~。
酒井:チーム内は雑談で盛り上がることも多かったです。またみんなでご飯いきたいです!

山口:全員が意見や感想を包み隠さず共有していた事が印象的でした。これはチームメンバー全員が互いにリスペクトしていたからこそできた事なのかなと思います。全員が納得した形で世に出せて良かったなと思います。
鈴木:松村さんが制作したエネミーを子供のように思っていたことが印象的でした。全員がこのゲームに対し熱い思いがあり、愛着を持っていたことがこのゲームの完成に繋がったのだと思います。

「GEMini2022」全体の中で、楽しかったことや思い出深かったことがあれば教えてください。

片野:クレジットに自分の名前が記載されたエンディングムービーを見たときの感動は、今でも強く印象に残っています。夢が叶ったような感動と実感がありました。

吉良:制作の終盤、初期段階のゲーム画面を振り返った時はとても感動しました。右も左もわからなかった自分たちが、協力して一つのゲームを作り上げてきたことを改めて認識し、ゲーム制作者の一員になったことを実感しました。
松村:チームで開発に携わり,段々とゲームが出来上がっていく過程そのものが本当に楽しかったです。自分たちが「面白い」と思ったゲームが形になっていく実感を得ることができたのは、非常に有意義だったと思います。

一生モノの経験ですね。最後に、「GEMini2022」で得られた経験を踏まえて、今後の意気込みを教えてください。

金子:今回の制作は初体験の連続で、様々な困難もありましたが、協力し合いながら進めることで完成させることができました。そして、配信したゲームを楽しんでくれる方々を見て、勇気を貰いました。今後、もし困難に直面しても、楽しんでくれる未来の誰かのためを思い、これからも頑張っていこうと思います!

島田:半年間の研修を通して確実に自分がレベルアップしたと実感しています。配属先でも「これだけは譲れない!」というこだわりを持って、最前線で活躍したいと思います!
飯野:悩みながら必死で作ったゲームがお客様に届き、それを楽しんでもらえた、という何事にも代えがたい喜びを知ってしまいました。今後仕事で辛いことがあっても、未来のユーザーの喜びの声を思い浮かべて頑張りたいと思います。

貴重なお話、ありがとうございました!


©Bandai Namco Studios Inc. Published by Phoenixx Inc.

(※1)©2022 Valve Corporation. Steam及びSteamロゴは、米国及びまたはその他の国のValve Corporationの商標及びまたは登録商標です。

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