
2024年11月16日(水)にリリースされた【現実生活拡張・パートナーアプリ『スピホスピ ID:PL18』】。
こちらも、前回の記事で取り上げた『Project: JUDGE VISIONS(プロジェクトジャッジビジョンズ)』同様、バンダイナムコスタジオの社内企画「スタートアップチャレンジ*」から生まれたタイトルです。
「キャラクターと現実生活を共に過ごす」コンセプトのもと、スマートフォンの時計機能や位置情報を利用することにより、キャラクターと同じ時間に寝起きする、一緒にカフェやショッピングにお出かけする、といった体験を味わうことができます。
実はこちらのタイトル、「女性向けゲームの開発に携わりたい!」という想いを持った社員が集まり開発されました。今回は、開発メンバー4名にお集まりいただき裏側を語っていただきました。
*スタートアップチャレンジ:若手社員から選ばれた1名(“勇者”と呼ばれる)がリーダーとなり、定められた期間と費用をかけて開発を行う社内企画。「ゼロから自分で考えて生み出すクリエイティブ経験」を積む、育成の一環として実施。
タイトル紹介
死後のキミと、今を生きる。生前のキミの、過去を辿る――……。
スピホスピ(正式名称SPIRIT HOSPITAL)とは、生前悪事を働いた者や、転生を拒絶するものなど、問題のある死者の魂を更生させる施設。
ユーザーは新たな入所者『パピー・ラブライト』の担当者となり、彼が更生していく姿を見守ることになる。
一緒に過ごすうちに、彼の死の経緯が明らかに……?今の彼の様子にも、変化が表れて……?

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開発メンバー紹介
東 彩乃(ひがし あやの)プロデューサー
川﨑 貴子(かわさき たかこ)ゲームデザイナー
北野 佳乃(きたの かの)アーティスト
大澤 めい(おおさわ めい)サウンドクリエイター
―今回は『スピホスピ ID:PL18』開発の裏側についてお話しいただきたいと思います。まずは本タイトルの開発にあたり、皆様はどのような役割を担われたのでしょうか?
東:プロデューサー兼ディレクターとして、タイトルに関するさまざまな決定をしていました。
あとは、特に大きいところでいうと川﨑さんと協力してシナリオを作りました。
川﨑:シナリオライターとして、メインシナリオのライティングや窓口業務を行っていました。
北野:アートディレクション全般を担当していました。
大澤:サウンドディレクターとして、コンセプト作りから細かい制作まで、色々と担当させていただきました。
東さんの実体験から着想を得た「孤独を癒す」パートナーアプリ
―「キャラクターと現実生活を共に過ごす」というコンセプトの本タイトルですが、このアイデアが生まれたきっかけは何だったのでしょうか?
東:企画当時、私が長年開発に携わってきた大きなプロジェクトがちょうど終わってしまったんです。
平日も、休日も、そのプロジェクトに多くの時間を割いてきたので、気が付いたら友達とも疎遠になっていて…。
心に穴が開いたような、寂しさを感じていました。
そのときにふと、この孤独を癒してくれるようなキャラクターがいて、遊びに誘ってくれたり、おしゃべりができたら良いなと思ったのがきっかけです。
メインキャラクター「パピー・ラブライト」の裏に隠されたもう一人の存在
―当時の東さんの心境が、『スピホスピ ID:PL18』誕生の鍵となったのですね。その時に想像していたキャラクターがそのまま具現化されたのが、メインキャラクターであるパピー・ラブライトなのでしょうか?

東:実はもともと二人いたんです、キャラクターが。パピーは二人目です。
予算の関係上、残念ながら一人しか出すことができませんでした。もう一人はネンネというキャラクターなのですが、パピーとは方向性の違うキャラクターでした。

―白と黒で対となるようなデザインだったのですね!
東:はい、当初は“剣と盾”のように性格も真逆な二人を考えていました。
例えるなら、パピーが“剣”で、ネンネが“盾”です。
メインのキャラクターとしては、能動的に動かしやすい、積極的なパピーを選びました。
―なるほど、ちなみにパピー・ラブライトという名前がとても珍しく感じたのですが、何か意味があるのでしょうか?
東:まずパピーの部分には、“父親”と“子犬”、二つの意味を含めました。
というのも、パピーは幼い頃からとある組織で父親的役割を担っていたんですが、
それが原因で組織の外のことは何も知らず、子犬のように純粋な一面があるんです。
ラブライトの部分には、彼が父親として組織に与える“愛の光”、
そして一人の人間として持っている“執筆を愛する心”という意味を込めています。
デザインに込められた女性向けタイトルならではの工夫
―たくさんの意味が込められているのですね。それでは、パピーのデザインについても教えてください。特にこだわった点などはありますか?
北野:全体的なところでいうと、女性向けタイトルなので個性は出しすぎないようにしました。
また、場所が更生施設ということで白ベース、ペールトーンの色味を意識しています。
あとは、まつ毛の目じりにある触覚も大きなポイントです。

―確かに特徴的な目をしていますね!ちなみに、パピーには二種類の絵のタッチがありますがこちらはどのような経緯で発案されたのでしょうか?
東:キャラクターに多彩な表情をさせたかったのですが、コミカルに崩しすぎたものは見せるシーンがなく、そもそもユーザーが望んでいない可能性もありました。
では、SDキャラ(=2~3頭身のミニサイズで描かれたキャラクター)を作ろうという話になったんです。
北野:SDキャラに関しては何種類か描いて開発メンバーに決めてもらいました。
東:たくさん候補がありましたよね、真ん丸にするか、シャープにするか…。
私はふっくらとしたフォルムが好きだったのですが、一番人気の子が選ばれました。確かに、可愛い。(笑)

パピーが歌う「特別な一曲」や日常を癒す心地よい音楽たち
―次に、音楽についてお聞きしたいと思います。プレイヤーの方に、特に聞いて欲しいサウンドはありますか?
大澤:『スピホスピ ID:PL18』の中で、一曲だけパピーが歌う曲があります。
現代風に仕上げている曲なのですが、実はアレンジをよりかっこよくするために多くの人の力を借りました。
ぜひ、聞いてみてください!
―パピーのまた違う一面を見ることができますね!その他、本タイトルのコンセプトに合わせたサウンド面での工夫はありますか?
大澤:『スピホスピ ID:PL18』はプレイヤーを癒すパートナーアプリなので、落ち着く音楽系統を意識的に取り入れています。
最近動画媒体などでローハイヒップホップというジャンルが流行っているためそれを参考にしつつ、ファンタジーでありSFという本タイトルの世界観を守りながらエレクトロな質感を入れて馴染ませたりしていました。
―そのようにして出来た音が、パピーと共に過ごす日常を心地よいものにしてくれているのですね!
知っているものを知らない目線で描く…シナリオ制作の難しさ
―「問題のある死者の魂を更生させる施設で、パピー・ラブライトが更生していく姿を見守る」という独特なストーリーの本タイトルですが、シナリオ面で苦労されたことなどありますか?
川﨑:パピーと仲良くなっていくと挑戦することができるコンビニミッションのシナリオは特に頑張りました。
「パピーはコンビニで一体何を買うのか?」という内容だったのですが、最初は何も想像できなくて…。
悩みに悩んで、自分は今初めて日本に来たという設定でコンビニに入り買い物をしたことは今でも印象に残っています。
一番大変でしたね。(笑)
自分ではない誰かになって、既に知っていることを知らないていで気持ちを想像する。その苦労を味わいました。


「アニメイトガールズフェスティバル2024」で見たユーザーの反応
―ついに完成した『スピホスピ ID:PL18』。リリースから数日後、日本最大規模のイベント「アニメイトガールズフェスティバル2024」に出展されたとのことですが、ユーザーの反応はいかがでしたか?
東:「優しい世界観が良かった」というお声など、とてもあたたかいフィードバックを多くいただきました。
そして既にクリアした方からお手紙もいただいたんです!三枚の便箋に、手書きで。とても感動しました。
北野:自分が描いたイラストがブースに大きく飾られていて、新鮮な気持ちでした。
実際にブースに来てくださった方が写真を撮ってくださったりしていて、すごく嬉しかったです。
絵を描くお仕事をしていると、なかなか出展者としてイベントに行くことがないので、描いた絵とユーザーが接している姿を見ることができるとても貴重な機会でした。

―最後に、『スピホスピ ID:PL18』ファンの方や、これからプレイされる方へのメッセージをお願いします!
東:過去の私のようになんとなく毎日を孤独に過ごしていて、「誰か一緒に遊んでくれないかな?」「どこかに出かけるきっかけはないかな?」などと思っている方にぜひ遊んでいただきたいと思います。
そして、パピーと一緒に過ごす日常の楽しさを感じていただけたら嬉しいです。
―ありがとうございました!
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「スピホスピ ID:PL18」に関するお問い合わせ先:cs_spihos@hike.inc
©Bandai Namco Studios Inc. Published by HIKE Inc.