インタビュー

『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』ができるまで(後編)

『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』ができるまで(後編)では、12年ぶりのナンバリングタイトルとなった本作の、開発にご協力をいただいた方々から伺ったお話、そして開発終盤の怒涛のエピソード、シリーズの今後についてお伝えします。


『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン(以下、エースコンバット7)』の開発プロジェクトメンバー
小柳 匡史 開発ディレクター
夛湖 久治 VRディレクター・DLCディレクター
廣田 慎也 マルチプレイディレクター
岩渕 正樹 エンジニアリングディレクター
相川 将人 リードゲームエンジニア
山本 治由 リードVRエンジニア
菅野 昌人 アートディレクター
糸見 功輔 ナラティブディレクター
反町 信哉 アートマネージャー
渡辺 量 サウンドディレクター

最後の最後まで改善を諦めない

●菅野 昌人(かんの まさと)
アートディレクター

菅野: 海上自衛隊の方もそうですし、航空自衛隊さん、まだ「いずも」なんて空母化される前の状態で、無理だろうなと思いながらも取材をさせて欲しいとお願いしたら、「是非来てください」って言われて「エースコンバットのファンです!」って皆さんが言うんですよね。そういうのを非常に誇らしいと思うと同時に、責任大きいなー、変なものは作れないなーと思いました。
撮影させていただいている時も新たな発見ばっかりでしたね。それを実際にプロジェクトに還元しているという事が、ふつふつとプロジェクトが進行していくうちに理解できて、実際に足を運んでその場所に行く取材は非常に重要だなと思いました。
初期のころ自衛隊の小松基地に岩渕君たちと行ったときに、パイロットの方々に雲の事象とかについてもお話いただけて、皆様にご協力いただいて形になったという感じですね。

反町: イーグルドライバーから生の声を聞かせてもらったり非常に貴重な体験をさせていただきました。みなさんエースコンバットのファンが多いためか理解があって、積極的に「こういうのどうですか」とか「こういう格好しましょうか」とか、サービス精神旺盛でした(笑)。

小柳: エースコンバットを遊んだのがきっかけで自衛隊に入ったという若い方にも先日お会いできたんですよね。インタビューでも雲に囲まれた時の体験を聞けたのもすごく参考になりました。実際にこんなに違うんだって。

菅野: 雲に周りを覆われた恐怖感とか孤独感とか、無線と計器だけが飛行の全てになるっていうのを聞いて、周りを雲に圧迫されている空間のちょっと不気味な感じっていうのは現実と同じなんだなって思ったりしました。

反町: 小松基地で「ドッグファイトになったら絶対逃げちゃいけない、逃げた瞬間にどうせ後ろを取られるから。だからずっとお尻の取り合いをして援軍が来るのを待つ」というのを聞いて、ああそういうものなんだなと思いましたね。

©ACE COMBAT™ 7:SKIES UNKNOWN & ©Bandai Namco Entertainment Inc.

小柳: エンジニア視点では相川さんどうですか。

相川: 今作はナンバリングタイトルとしてお客様に納得していただくために、エースコンバット本来の遊びや操作感を損なわない事を第一に実装していきました。過去シリーズを見直して取り入れた仕様もあるんですが、その一つにサンドイッチバトルシステムという面白い名前の仕様がありました。プレイヤーの周囲を敵がいい感じに飛び回ってくれる仕組みで、実装したんですけど、あまり気づかれていないかなという気はしています。

小柳: 気づかれないほうが正しいですね。お尻の取り合いをし続けてしまうところをちゃんとゲームとして楽しくするにはどうすれば良いかっていう一つの回答かと。もうすこし改善点はありますが、空戦を気持ちよく成り立たせるためには良いシステムかなと思います。

開発にご協力いただいた方々

相川: 後は雲の遊びの表現の試行錯誤ですね。なかなか確立できなくて、最終的にはなんとなく形になったかなーと。

菅野: 2017年のPSX(プレイステーション・エクスペリエンス)のVRデモバージョンでは雲の中に敵が入り続けているとレーダー上から消えるんですよね。VRの体験だったらまだ良いんですけど、ゲームの利便性やプレイフィールとかを考えると全く消えてしまうのはおかしいんじゃないかっていう事になってバランスを変えましたね。

廣田: プロジェクト内で色々フィードバックの情報が出ている状況を、まとめたり取捨選択して最終的に小柳さんや他の方々が決めて今の仕様になったっていう事ですね。やっぱり雲は足かせになることが大きいので、それをいかに利点にしていくかが難しかったです。

小柳: パイロット体験としての強化には繋がりやすいのですが、ゲームという視点だと今言ったようにデメリットにもなりうるところですよね。今後はもっとユーザーさんが気持ち良くなれる方向で強化したいと考えています。

糸見: ビジュアル的には大きく変化したと思うんですよね。立体になって高さが出たのとか。

廣田: 立体的に見えるっていうのがすごく衝撃的で、それをVRでも同じように見えるっていうのが飛行機に乗って空を見ているような…本当にドキドキしますよね。

菅野: VRだと10倍おもしろいです!

岩渕: 出るまで大変だったけどね(笑)。

糸見: 雲は最後までいじってましたよね、キャンペーンの時。おかげでIGC(インゲームカットシーン)を作ってて、実機で再生したら、「あれ、雲しかないんだけど」って(笑)。

菅野: ブランドディレクターの河野さんのこだわりがすごかったんです!河野さんの言っていることはすごく分かるんですけど、そんなにデザインを変えちゃうと……っていうのがあって。隣ではスカイプでシンガポールスタジオ(以下、BNSS)と会話している糸見が「(こんなに変わったのは)誰のせいだ」って責められて「菅野さんです」って返事してて、「すみません、すみません」って謝っていました(笑)。

糸見: 僕は、BNSSには「菅野さんが決めてから直してください」って返事をしていました(笑)。

菅野: エンジニアが最後の最後まで改善を諦めなかったことについて、感謝しているんですよ。プロジェクトが終わるまでに「ここはこうならないかな」とか腹の中で思っていたところをエンジニアが実装してくれたので、本当に感謝してもしきれません。

●岩渕 正樹(いわぶち まさき)
エンジニアリングディレクター

岩渕: そこは結局スケジュールを延ばして、お客さまに待っていてもらったからできたことでもありますね。最初だと2017年発売だったのが2年分待っていただいたからできたというところが大きいですね。

渡辺: サウンドの最終工程のデータ締めの時に、どうしても直したいところがあって岩渕さんに謝りに行こうとプロジェクトのフロアに行ったら、すでに菅野さんが岩渕さんに怒られてて「まだ直してるー!」って、すごく頼もしく思えました(笑)!

廣田: その裏でPM(プロセスマネジメント)の人が実はすごく大変だったんですよね。

小柳: キャンペーンについて岩渕さんから何かありますか?

岩渕: 相川君が頑張ってくれたので。例えば最終面の垂直に向かうところですが、初めから「やらないで」って言ってたのに、ああなっていて(笑)。 大体は考える間もなく突っ走られてしまって。プレイヤーにはわからないように一応補正も入ったんですが、そこはミッション班に頑張っていただきました。

小柳: あそこで菅野さんとよくやり取りしたのは「入る入口わかんない」っていうのでした。

菅野: 誘導灯広げましたもん。

小柳: 最終的にはプレイヤーさんが迷わないようになりましたよね。なかなかにチャレンジングなトンネルでしたが、良い締めになったと思っています。

菅野: あそこはエースコンバット3に世界が繋がるっていうのをすごく表したくって、赤色灯といったもので補いましたが、アートの見た目に関してなるべく3に繋げられる要素だけにしたかったんですよ。

相川: あと、7のキャンペーンは、たくさんの協力会社のスタッフと、過去シリーズのメインプログラマだった小池さん(株式会社ORCA)とか、あわせると一作目から前作まで全てのシリーズに関わったエンジニアの協力を得てできあがっています。

小柳: 小池さんはレジェンド級ですしね。あの座組は二度と無理ないんじゃないかって感じです。

菅野: 無線の鬼頭さんという4と5の最後に参加してた方も戻ってきたりとか。

小柳: 河野さんも結局僕と、朝の10時から夜中の2時まで無線を調整しました。

糸見: 歴代の開発者の方たちが何かしらの形で関わってますよね。

小柳: 集合知ですよね。自分はそんな皆さんのアイディアを昇華させるタイプでいきたい(笑)。迷走したり小さくまとまったものにならないように頑張ります。

後で後悔しないように、最初のうちに試す

小柳: VRについてもう少し掘り下げたいんですけど、夛湖さんどうですか?

●夛湖 久治(たご ひさはる)
VRディレクター・DLCディレクター

夛湖: 自分はエアーコンバット22(※1)の開発で空戦モノを作っていますし、機動戦士ガンダム戦場の絆も作っていましたのでVR系の知見もあって、今回エンジニアには山本さんのようにサマーレッスンでVRの知見を持っている人も合流していました。
あと、VRのサウンドについては今でも覚えているのですが、サウンドの量さんに相談した時に「サウンドディレクションは任せてください!」と自分を食い入るような眼で見てきたのが印象的で、「これはもうVR作れる人材が揃っている!」と感じました。 開発は、当初はBNSSがVRモードを作っていたので、その素材を活かす設計にしましょうという方針でしたが、VRは遊んでみないとわからない。なので山本さんと相談してイテレーションをできるスケジュールを組んで、全部揃ったのが10月ぐらいですかね?

※1 エアーコンバット22
ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)が開発し、1995年に稼働開始したアーケードゲーム。

山本: 逆算してレビューとか試行錯誤の回数を考えて、これくらいかなーとうまい事当てはめていって収束できましたね。

夛湖: この「うまく当てはめていった」という工程こそが工夫のポイントで、この工程が組めた時点で勝利を確信していました(笑)。ありがたいことにVRチームはその意図が分かってくれまして、全セクションの中で一番最後に始めて、一番最初に終わったチームでした(笑)。本当に自分がすごい大技でなんとかしたわけではなくて、周りの方が頑張っていただいた成果ですね。先ほど申した工程を作ったのだけが唯一工夫したところかな!と思っています。

小柳: おかげさまで大好評ですね。

夛湖: 好評もさることながら今回のVRモードで得られたノウハウは大きいと思います。何が好評で、何が不評か…。もう一度作ることになったら、もっと良いものが作れると思います。

●山本 治由(やまもと はるよし)
リードVRエンジニア

山本: VRのひな型があってイメージがしやすかったので作りやすかったですね。逆算して試行の回数は決まっていたので、後で後悔しないように今ならこれをやり直せると最初のうちに何パターンか作ったりしました。
最初のうちに頭の中だけで諦めていたら、あとになってこれもやっておけばよかったかなとか、実はこの方法もあったんじゃないのかなって思ってしまう事になっていたかもしれません。サマーレッスンの開発の後半に「最初の頃にこれ試しとけばよかったんじゃないかな」って思った反省を活かして、最初に広く手を付けてうまく収まったかなと思います。

菅野: 具体的には、飛行機のミサイルの残数やレーダーマップとか、当初はキャンペーンの仕組みを利用してホログラフィーのように表示していたんですけど、山本さんが入ってそこはマルチファンクションディスプレイに表示したほうが現実的だって実際にやってくれました。試してみるっていうのをやってくださったおかげで一気に世界がよくなって助かりましたね。

夛湖: 時間がかかって実装できなさそうだとか懸念はあったんですけど、手早くザーッと作って検証しちゃおうよという感じでした。とにかくVRは体験しないと結局分からないのものなので…。

菅野: 今考えると皆できない理由探していたんだよなーと思いますよね。できない理由があればあるほど、その仕様をカットする方が正しいという考えになってしまう。

夛湖: 自分は一番最後にこのチームに参加したので、その辺に抵抗がなかったのかもしれませんね。皆にとって途中の段階が、自分にとってはスタートだったので。作れるものなら作ってまず体験しよう、っていう発想が無理なく受け入れられたのだと思います。

山本: エースコンバットのお約束事やルールをあまり知らなかったのが逆に良かったんじゃないかと思っています。UIをディスプレイにはめ込むなんてゲーム的にはありかもしれないけど、リアル寄りの空戦を目指したエースコンバットにはルール違反ではないか?みたいなことを心の片隅に思っていたのですが、まあやってから、どうですか…みたいな(笑)。でも反応も良かったので、試してよかったなと思います。

菅野: 試してくれる人がいてくれるっていうのは心強いですよね

夛湖: とにかくVRは体験すること自体が最も説得力もありました。今回Unreal® Engine(※2)があって、即実行、即制作と、イテレーションしやすかったっていうのもありますかね。

山本: そうですね。僕も今まではソースコードだけ書いて、プログラムから見たゲーム制作という関わり方でしたけど、Unreal® Engineになってからは自分で見た目とかも、アートの手を煩わせずにUIを自分で触って組み込んでみたりとかして色々試せるようになって良かったですし楽しかったです。

夛湖: さっきの糸見さんのサウンド編集の話じゃないですけど、これを触れるみんなが職種を超えたクリエイター化している感じですね。

菅野: ビックリしましたよこの間!無線セリフを担当されている女性のところにいってみたら、エフェクトエディターを立ち上げていじっていたんですよね。もうそういうところまで自分で変更できる時代だーって思いました。職種間の垣根が取り払われたんでしょうね。

夛湖: 一人のクリエイトの幅が広がっているので、職種に人数を掛けただけの単純な計算ではなく、一部には人数×1.5倍くらいのパフォーマンスのある成果物が出てきたりして、みんなが色んな所に手を出すことで相乗効果的によくなっていく感じがありましたよね。

©ACE COMBAT™ 7:SKIES UNKNOWN & ©Bandai Namco Entertainment Inc.

CEDEC AWARDS サウンド部門 最優秀賞

小柳: 続きまして、CEDEC最優秀賞に選ばれたサウンドチームの皆さん。

渡辺: まさか最優秀賞を取れるとは思わなかったので、とても嬉しく思っています。

糸見: 今回、若手の方が沢山BGM担当されてますよね。それが僕には新鮮だったんですよ!北谷くんとか。

●渡辺 量(わたなべ りょう)
サウンドディレクター

渡辺: このシリーズ自体がたくさんの人を育ててきて、すごい人を輩出してきたプロジェクトだと思っていて、自分も今まで育てていただいてきた分、山内くん、工藤くん、宮城さんなど若い人がこのプロジェクトを通じて育って欲しいという思いがすごくありました。
小林さんから「エースコンバットチームはデータが全部インしてから長いよ」って言われていて。今まで7に参加する前はアセットを提供したりはしたんですが、プロジェクトに実際に参加してみたら、半年くらい前にデータは確かに揃っているんですけど、そこからクオリティをギリギリまで上げていく作業を全セクションやっててすごいなと思いました。
音楽も流れる箇所を0.1秒単位で調整していくし、特定の場面のために作ったサウンドも容赦なく入れ替えになるので度肝を抜かれたし、データ〆の一週間前に新規楽曲の発注がブラントディレクターの河野さんからあったんですけど、そこから小林さんが鳥肌が立つような楽曲を最後に上げてきたりしたので、作品の制作過程自体がドラマティックだったなと思いました。

菅野: そこは待ちの時間も含めてドラマなんですよね。

小柳: メール返信なしが一日続いたということは、いよいよ作っているはずだ!とか(笑)。

渡辺: エースコンバットのプレイ中には、色々な爆発音や無線、ものすごく多数のオブジェクトに、その上曲がかかってて……と、こんな沢山音が鳴るゲームってなかなかないと思うんです。それを丁度良いバランスで聞こえるようにミキシングでまとめ上げる時は、テストプレイしつつひと月半以上かけて全部がきっちり聞こえるように気を付けながら調整していたんです。
その際には海外のいろんなタイトルを研究して、色々聞こえるベストなバランスになるように調整をかけていたんですけど、最後に糸見さんや河野さんから「曲小さいよね」っていわれて(笑)。 ある日「このバランスにしてください」ってサウンドオプションのスクリーンショットがメールで送られてきて、そのバランスが自分にとっては受け入れがたいバランスだなって最初は思ったんですけど、いざそのバランスにしてみたら周囲の反応が急に良くなって、これがエースコンバットなんだなって思いました。
いろんな音が鳴っている中にも音楽がしっかり堂々と聞こえるバランスがエースコンバットであって、他のタイトルの真似じゃない。本当にあのまま自分の意見を通したバランスだったら、ただの優等生な音にしかなっていなかったので、指摘してもらって本当に良かったなと思っています。

今までやったことがない事をユーザーが面白いと思ってもらえるように

●小柳 匡史(こやなぎ まさし)
開発プロデューサー

小柳: DLC版の開発に当たって、製品版でのお客様の声が集まっていたので、それを真摯に受け止めて、より遊びたいものは何かっていう観点を第一に考えました。それで有人機大空戦とボス戦はすぐに決まりました。更に攻略自由度というかプレイヤーならではの攻略性があるっていう部分を拡張していこうと考えました。SPミッション1についてはその点はクリアできたかなと思います。

反町: 厳密にいうとリリースする前からDLCの構想は考えるわけですが、製品版ではAIが主だったので、DLCでは有人戦をもっとやりたいかなという仮説を立てて、最終的にはそれをミッションにしました。

小柳: SPミッション1で有人大空戦をやることにしたのもそうなのですが、細かいところだと無線で機体名をいっぱい言ってみようっていうのもありました。実はキャンペーンというか、今までシリーズでもあまり言ってなかったんですよね。

糸見: ACAHではちょっと言ってましたね。

小柳: 機体愛が強いユーザーさんが多いので好意的には受け止めていていただいているようです。

糸見: DLCはチームワークも良く脂がのっている状態で作っていて、キャンペーンモードの開発で培われた技術も凝縮されています。BGMのインタラクティブな推移とか、僕がお願いしてないのに北谷くんが頑張ってやってくれているんですよ。 DLCの4のSP1での暗殺部隊のシーケンスつながりも、ものすごく綺麗な感じになっていてビックリしました。

小柳: あそこユーザーさんにもすごく好評ですよね。

渡辺: ちょっと新しいインタラクティブミュージックの使い方をDLC4,5では北谷くんがしています。

糸見: 音楽もそうですし、無線も音楽と合わせるように細かく詰めて作ってあるのでサウンド面での気持ちよさもグレードアップしているかなと思います。

小柳: 今回DLCではやりたい放題とまでは言いませんが少し拡張させていただいて、ゲーム的に面白いと思うものはいろいろやってみてESMの超効果とかや補給ラインを3つに増やすとか、科学的にとか現実的に説明が難しいレベルにまで多少踏み込んでみたりしています。ユーザーさんに喜んでもらえれば嬉しいなと思います。

©ACE COMBAT™ 7:SKIES UNKNOWN & ©Bandai Namco Entertainment Inc.

今後の作品作りへの思い

反町: ビジュアルについては、パフォーマンスを継続してどんどん上げていきたいと思います。true SKY™を使って立体感は出てきましたが本物の空には程遠いので、多層の雲があったり、光と影、霧や雲や雨、綺麗な色彩、自然現象とかそういった部分や多種多様なエフェクトを含めた息づく街など高い目標で新たな表現をどんどん目指していきたいです。また、本物の戦闘機の造形的な美しさは勿論の事、圧倒的な存在感がある。そういう驚きの幅も深みも追及していきたいと考えています。

岩渕: 僕は省エネ志向なので何もやらずにいれればそれでいいですが(笑)、もう少しエースコンバットユーザーのやりたかったこと、これが遊びたかったんだというものをきちんと主軸として作っていければと思います。

相川: エースコンバット7を遊んでいただいたお客様には、100%やりきりました!って本当は言いたいのですが、自分の中でだいぶやり残している事もあるので、これが最高のエースコンバットですと自信を持って言えるものを提供し続けていきたいと思います。それと、自分は空戦が好きなので、空戦の楽しさをエースコンバットらしく、より追求できたらと思います。

廣田: 次につながるっていう事だと、一番は岩渕さんが言った通りお客さん目線で何がやりたいのかっていうのが大事なので、新しいアイディアを考えてより満足していただけるものを提供できればと思っています。
作品への思いとして、自分は前作の『エースコンバット インフィニティ』からエースプロジェクトに参加している新しいメンバーです。チーム一人一人のクリエイティブに対する思いや考え方に触れると、本当にリスペクトできる人たちと一緒にゲームを作れて幸せだなと思っていて、今回の座談会で皆さんの話を聞いて、それを再認識しました。そういう人がいる環境で働けることを大事にしていきたいなと感じています。

渡辺: サウンドセクションとして音響面も音楽面でももっとやってみたいことがあります。 高校生のころから『エースコンバット2』で遊んでそれから3,4,5と遊んできて、この会社に入りたい、このチームに入りたいと思って、3年間サウンドディレクターとして参加して思う事は、憧れに違わぬというか無茶苦茶な人たちが集まっているなーって事ですね。
無茶苦茶に素敵で、あきらめの悪い方たちがクオリティに関してしっかり考えて、最後にどこをよくすれば仕上がりが良くなるのかとか、どういう事をしたらお客さんが喜んでくれるかとかをずっとずっと考えている人たちだと思っているので、苦しい時もありましたけど、振り返ってみるとあの苦しくて熱中している時間も楽しかったと思っています。 またみんなと仕事ができることがあれば、それは超楽しみです。

糸見: 今回も開発にあたっては多くの方々にご協力いただきました。こういった輪を更に広げて、ご協力していただける方たちと共に新しいものを作っていきたいなと思っています。限られた人数でやっていると頭が固くなってきてしまいます。なるべくそういう状態を取っ払えるような座組で、新しいアイディアを出していきたいなと思っています。

菅野: 長いシリーズで、2020年で25周年になります。僕みたいに最初から携わってきた人もそうですけど、シリーズが長いっていうのは経験を積めるのでより良いものを作っていける一方で、考え方が固まってしまうし、25年もやっていると新しいものを取り入れるということに体が追いついていかなくなる事があって、アーティストだと目がだんだん悪くなってきたり瞬発力も衰えていくので、若い人がどんどん入っていって欲しいなと思っています。本当に新しい人間の考えをどんどん取り入れるっていうことが大事なんだなって、この歳になって強く感じますよ。

山本: 全編VR対応とか…(笑)
エンジニアの立場から言えば全編VRっていうのは処理負荷の問題があるので、そこは課題なんですが、同時にエースコンバットのVRを今回担当して思う事はストーリーがあってこそエースコンバットという事です。今回はメビウス1の力を借りてストーリーとして盛り上げていましたけど、エースコンバットとしてVR体験はこれだっていうものをストーリーも込みで挑戦してみたいなと思っています。

夛湖: エースコンバットはシリーズ始まって25年ですよね。これは誰にも真似できない「強み」です。この長さによって、エースコンバットシリーズを追い続けてきたファンの期待は、楽しいゲームのみならず、連綿と紡いできたストレンジリアルというオリジナリティあふれるストーリーや世界観であったりして、この世界の行く先をもっと見てみたい!ということにつながっているのかと思います。自分としてはこの厚みをもっと増やしていくことに力添えできればと思っています。
特に今回DLCでは、自分の得意な方向でこれを伸ばすよう立ち回りました。その世界の中に立ったとき、目の前に置いてあるクッキーひとつにもブランド名がくっついている位、その世界を掘りこんで、またお客様に世界への没入を深めていただけたらいいなーと思っています。

菅野: デザインワーク大変だ……(笑)。

小柳: 注力したいのはシリーズコンセプトというかシリーズの一番大事な部分を、十分に味わえてない人に味わってもらう、味わえてもらえている人にはより強く味わってもらうというところです。改善強化だけだと弱いという話が出る時もあります。
新しいものは何なのか、新しいチャレンジは何なのか。ただ、まずは改善強化して、エースコンバットの最も楽しい部分を担保した上で、その楽しさを損なうことなく拡張又は追加できる楽しさは何かを突き詰めて、いろいろなお客様の「俺はこういう英雄体験をしたい」という思いに応えていきたいと思います。
皆さん、本日はありがとうございました。


オフィシャルサイト
https://ace7.acecombat.jp/
販売元:バンダイナムコエンターテインメント
ACE COMBAT™ 7:SKIES UNKNOWN & ©Bandai Namco Entertainment Inc.

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