Creators Interview

Creators Interview

Creating Instantly Identifiable Games! What Goes into Concept Art?

バンダイナムコスタジオ(BNS)のクリエイターたちは、誰もが楽しめるゲーム作りに情熱を注いでいます。しかし、彼らの情熱の源泉とは一体何なのでしょうか?

この連載では、BNSのクリエイターが好きなものや体験をどのようにゲーム開発に応用しているかについてお話しします。

今回は、2022年3月4日に公開された「サバイバルクイズCITY」のイラストを全て手がけているビジュアルアーティストの田中陽子さんにお話を伺いました。イラストを通して伝わるゲーム開発について聞いてみました

ビジュアルアーティスト 田中陽子

— まず、御社の部署と業務内容について教えてください。


現在はスタジオ1、プロダクション8で働いています。私はサバイバルクイズCITY(SQC)の2Dアートに関する全てを担当しています。

キャラクターデザインやメインイラストの他に、ゲーム内ショップで使用しているアイコンやチュートリアルに出てくるステッカーを描きます。そういえば「マッチング探し」の画面に出てくるイラストや、SQCのtwitterアイコンも描きました。私は幸運にも、かなり多様なアートに取り組むことができます。

—サバイバルクイズCITYは、ポップで愛らしい外観をしています。どのようにしてこのようなスタイルになったのですか?


結局、僕が好きなスタイルにすることになったんだ、ハ。

ゲームのプロデューサーである重田さんとアートディレクターの安藤さんからゲームのコンセプトを説明してもらったことがきっかけで、キャラクターデザインを担当することになりました。

ゲームの背後にあるコンセプトの1つは、プレイヤーを勝ったグループと負けたグループに分けて、お互いを倒すために戦うことです。人間のキャラクターを使うと、ゲームは挑発的で陰惨なものになるので、ポップなルックがぴったりだと思いました。そのアイデアに基づいて、個人的に好きなスタイルであるステッカーのようなデザインを使用することを提案しました。このアイデアは他のチームメンバーにも受け入れられ、現在のアートスタイルにたどり着きました。

ゲーム内アイコン

—イラストは90年代っぽいですね!

ゲームにはラミーちゃんというキャラクターが登場しますが、彼女のインスピレーションは90年代から直接受け継がれています!先ほどお話しした安藤さんからは、僕のスタイルを象徴するキャラクターを加えたいと言われていました。自分が好きなスタイルでキャラクターをデザインしてみたのですが、本当にゲームにふさわしいのかどうか、最後の最後まで確信が持てませんでした。

ラミーちゃん

— もともとこのレトロでポップなスタイルが得意だったのですか?

私のアートスタイルはSQCの世界によく合っていると思います。そうは言っても、既存のタイトルのキャラクターを描くのも私の仕事の一部で、その場合は各タイトルのスタイルに従います。そして、私はそのような仕事をすることを楽しんでいます。絵を描くことに関連するものなら何でも好きだと言ってもいいでしょう。

話がそれるかもしれませんが、ゲームのプレイアブルキャラクターであるGYAARくんに使ったスタイルは、ゲームのプロデューサーである重太さんから着想を得ています。ギャールくんをデザインしながら、ギャールくんのTシャツがシゲタに似合うんだろうなと思いました(笑)。

— 仕事で印象に残った経験、例えば苦労したことや頑張ったことなど、何か思い出深い逸話はありますか?

ゲームのコンテンツをゲームの広告にまとめる作業から多くのことを学び、制作チーム内でゲームに関する情報を共有するために使用しました。ゲームのパッケージのようにデザインしました。表側にはゲームのタイトルとイラストが、裏面にはゲームに関する情報があります。

私は、すべてのものの中で最も重要な部分を決定するのに多くの困難を抱えていました。私自身は、ゲームのシステムや概念的な情報をくまなく調べてまとめることで、多くのことを学んだと感じています。また、イラストを並べたり、「大人数でプレイするサバイバルゲーム」「アクションゲーム」「勝者と敗者」などの主要な概念を見て、どれを残し、どちらを売り込むかを決めたりすることで学びました。

この仕事は、特定の要素に優先順位をつけてゲームを説明するのがポイントですが、それをやることで自分の考えを整理するのにも役立ったと感じました。この経験は、他のタイトルのコンセプトアートを作るときや、新入社員向けのコンセプトアートセミナーを開催したときに役立っています。

――― これほどテキストに頼ったコンセプトアートはあまり見かけませんか?コンセプトアートを作る上で、どのようなことに気をつけていますか?

コンセプトアートの解釈は人それぞれだと思いますが、個人的には、一目でどんなゲームを見ているのかがわかることが大切だと思っています。

店頭に並んでいるゲームの内容は、パッケージを見れば大まかにわかると思います。プレイヤーが競い合う子供向けゲームでも、友達を集めて冒険に出かけるゲームでも。キャラクターの見た目やカラーパレットの違いから、無意識のうちに情報を集めているのだと思います。

コンセプトアートを描くときは、ビジュアルから得られる情報が多いと思うので、ゲームのターゲット層を考えます。そして、そのゲームジャンルのファンが手に取ったくなるようなビジュアルは何かを考えます。SQCのアートに混沌とした雰囲気を持たせ、グループで遊んで楽しめるゲームのように見せました。これは、カジュアルな観客にアピールすることを意図していたからです。

例えば、ゲームをあまりプレイしない視聴者は、リアルなキャラクターや彩度の低さのパッケージを見て、自分には向いていないと思うかもしれません。コンセプトアートは、プレイヤーがタイトルについてどう感じるかに影響を与えるという点で重要だと思います。

――― その他、イラストを描く上で気をつけていることはありますか?

ラミーちゃんのような90年代風のイラストもそうですが、一つ一つの作品の見せ方を意識して考えないと、実際にその時代を生きた人たちからは「時代遅れだ」とか「しっくりこない」と思われてしまうかもしれません。

また、新しい技術やトレンドにも目を光らせて、何が新しく、何が古いと考えられるかを判断するのに役立てています。

ラミーちゃんのデザインは、最初は懐かしそうに見えますが、90年代のイラストと見比べると、色の選択や形など、新しいイラストのテクニックを取り入れたことがわかります。その結果、作品の懐かしさの中に斬新な要素を感じられるイラストになれば幸いです。

――― 仕事にあたり、自分なりのルールはありますか?

自分の期待に応えられるまで時間をかけて取り組みたいという気持ちもありますが、締め切りを守ることも大事なので、そのバランスが大切です。納期を最優先に考えると同時に、その制約の中で製品の品質を維持することも重要だと考えています。もし私たちの作品が世に出れば、バンダイナムコスタジオのタイトルとして審査され、当社の評判に影響を与えることになります。そのことを念頭に置いて、タイトルの作業を進めながら、締め切りを守りながら一定の品質レベルを確保することが常に最善です。

まだ時間がある時点で見栄えを出すための最低限の要件を満たすものを作り、そこからブラッシュアップしていくのが一番安全だと思います。締め切り前まで待っていると、急いでしまい、感情的に良くありません。だから、自分を追い込みすぎないように、焦らずに進歩する方法を考えるようにしています。

――― 自信のあるものを1つ挙げるとしたら、何を選びますか?

白紙の状態で作業するときは、イラストで試してみることについて自分のアイデアを提案するのが好きです。私は多かれ少なかれ多才であることに誇りを持っています。

最近のトレンドや特定のオーディエンスにアピールするものに興味があり、実際に考えたり、提案したりすることを楽しんでいます。

――― アートに関する最新情報はどこで手に入るのですか?

私は何でも少しずつ見るようにしています、そしてストリーミングサイトで人気のある映画やアニメを見るようにしてください、そしてPinterestをチェックしてください。それらのサイトの情報にアクセスし、過去の絵のスタイルが行き来している様子を見ていると、ファッション業界のようにイラストレーションのトレンドが循環しているように感じます。

最近は動画配信サービスで、古いタイトルと新作を同時に視聴できるようになったので、特定のスタイルに新しい命を吹き込むという考え方に、より意味が持たれていると感じています。

――― 指導的な先生方はいらっしゃいますか?

「運勢は予測不可能で変わりやすい」

実は今まで指導校のようなものがなかったので、この機会を利用して、たくさんの調査をして見つけました。

自分が担当しているプロジェクトが中止になってしまうのは悲しいことですが、冷静になってから振り返ると、そこから学ぶことが多かったと実感することがよくあります。何が起こるかわからないからこそ、私はあまり簡単に喜んだり辞めたりしないことに決めたのです。逆に、やったことがうまくいってうれしいと思ったのに、その後、一つのことが別のことにつながってしまい、喜びが無駄になったこともありました。何が幸せで、何が不幸をもたらすのか、あなたにはわからないことに気づきました。

自分の経験を活かして、短期的な視点だけでなく、中長期的な視点を仕事に持ち込みたいです!!

――― ありがとうございました!

前回の「僕は熱心なゲーマーだから、世界中のプレイヤーにゲームの楽しさを体験してもらいたい!」はこちら
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